飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とは?
脂肪酸には、大きく分けて2つの種類がございます。
今回はその2つの脂肪酸について、詳しくお伝えしてまいります。
では、まず「脂肪酸」とは何のことでしょうか?
脂肪酸とは、脂質の主要な構成要素で、脂肪酸が他の様々な形態の物質と結びつくことで脂質を形成しております。
脂肪酸の体内での働きとしては、
・活動のエネルギー源
・人体の細胞膜、ホルモン、核膜などを構成
・皮下脂肪として臓器や外部刺激からの保護
・脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収促進
などが挙げられます。
このような役割を担う脂肪酸ですが、大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分けられます。
まず初めに飽和脂肪酸の特徴についてお伝えさせていただきます。
飽和脂肪酸とは、主に動物性の油に多く含まれる脂肪酸です。
お肉の脂身や鶏皮、乳製品などに多く含まれます。
常温では固体のものが多く、植物性の油の中ではココナッツオイルなどに含まれます。
飽和脂肪酸は、一般的に過剰摂取になりやすく、過剰摂取になると健康面でのデメリットがあります。
身体を動かす上で重要なエネルギー源となる栄養素ではありますが、過剰摂取になると心筋梗塞をはじめとする循環器系疾患のリスクが増加する事が予想されます。
厚生労働省の発表する食事摂取基準によると、飽和脂肪酸の摂取カロリーは全体の7%以下にする事が推奨されております。
ただ、身体のエネルギー源になりやすい栄養素ですので、全く摂取しないのもよくありません。
飽和脂肪酸の中でも特にエネルギーとして変換されやすいMCTオイルやココナッツオイルを中心に取り入れる事がおすすめです。
次に不飽和脂肪酸についてご紹介致します。
不飽和脂肪酸は、植物性の油に多く、常温では液体状なのが特徴です。
また、動物性でも青魚に含まれるEPAやDHAは、常温で液体なので、不飽和脂肪酸に含まれます。
不飽和脂肪酸の中でも、体内で作られない「多価不飽和脂肪酸」と「一価不飽和脂肪酸」の2種類に分けられます。
一価不飽和脂肪酸でよく知られているオレイン酸は、オリーブオイルに多く含まれ、血液中のLDLコレステロールを下げる働きがあります。
また、多価不飽和脂肪酸でよく知られているDHAやα-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸は、体内で合成できないため必須脂肪酸と呼ばれ、動脈硬化を防いだり、高血圧の改善、LDLコレステロールを減らすなどの働きがあります。
現代の日本人の食生活では、意識して摂取しないと不足しやすいのが、不飽和脂肪酸ですがしっかりと摂取することで健康面へのメリットが多くあります。
不飽和脂肪酸は、合わせて1日に10〜13g程度摂取することが推奨されております。
ぜひ日々のお食事で、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランスを意識しながらお食事を選んでいただければと思います。