「体幹トレーニング」はなぜ必要なのか。 体幹を鍛えてエネルギーを効率的に利用する。
トレーニングをされている方であれば「体幹トレーニング」という言葉を一度は聞いた事があると思いまする。
しかし体幹トレーニングを何のために行うのか、なぜ必要なのかと聞かれた時に、答えられる方はあまり多くはないのでしょうか。
今回は「体幹トレーニング」の重要性、体幹の役割について解説していきます。
○エネルギーの通り道
体幹には身体の「軸」としての役割があります。回転する時の中心になる働き、身体の他の部分(腕や脚)の動きを安定させる働きなどがあります。
もう一つは「エネルギーの通り道」としての役割があります。
エネルギーの通り道と聞いてイメージがつかない方が多いと思います。
「ボールを投げる」動作を例にします。
例えば座ったままでボールを投げるのと、振りかぶって足を使って投げることでは、パワーが全然違います。
これは下半身からエネルギーが適切に胴体を通して伝わり、肩甲骨から肩、腕、指先へと伝わるからです。
なぜ体幹のトレーニングを行うのかというと、身体を動かしやすくするためです。
なぜ動かしやすくなるかというと、エネルギーが適切に伝わるからです。
通り道である体幹が歪んでいたらエネルギーを効率良く伝えることができません。
○体幹トレーニングの歴史
体幹トレーニングが注目され始めたのは「ドローイン」というお腹を引っ込ませる「腹横筋」のトレーニングからです。
理学療法の中で腰痛の予防、治療として腹横筋を中心とした体幹のエクササイズが効果がある
ということで使われるようになってきました。
スポーツ現場ではアスリートの腰痛、とくに腰椎分離症やすべり症のリハビリに腹横筋を収縮させる「ドローイン」が活用されています。
以前は腹筋や背筋といっていたものが言葉が変わり「体幹トレーニング」に変わりました。
ここでインナーマッスルを使う「体幹トレーニング」というものが定着され始めました。
現在では、「ウエストを細くするため」「くびれを作るため」のトレーニングとして「体幹トレーニング」が注目されています。
どのような目的でも体幹には「腹横筋」を収縮させることが重要だと広まり、活用されています。
エネルギーの通り道として体幹を機能させるには「腹横筋」も大切ですが「横隔膜」と「骨盤底筋」をうまく連動させることが重要です。
横隔膜と骨盤底筋については別の投稿をご確認してください。
腹直筋だけでなんとかしようとしても、腹直筋は前後にしか動かないので身体を回旋する動きには不向きです。
そこで上半身と下半身を結ぶエネルギーの通り道を作るためには、体幹全体を覆っている腹壁の筋肉群(内腹斜筋や腹横筋)などを使ったトレーニングが大切になります。