インスリンについて〜part1〜
皆様、筋肉を増やす際に最も重要となるホルモンは何かご存知でしょうか?
それは、男性ホルモンでも成長ホルモンでもなく「インスリン」です。
しかしインスリンには筋肉だけでなく、脂肪を増やす作用もあって、そこが悩みどころとなります。
ただし基本的には、インスリンの働きを上手く高めてあげることで「体脂肪を減らし、筋肉を増やしていく」ことが可能になるのです。
ボディメイクを長く行なっている方ほど、この2つを両立していくことは難しくなりますが、ボディメイクを始めて間もない方〜中級者の方でしたら、決して不可能ではありません。
では、インスリンをどのように活用すれば良いのでしょうか?
今回はまず、インスリンの働きからお伝えしてまいります。
インスリンの働き、それは「血糖値を下げること」です。
つまり血液中の糖分を身体の組織内に送り込んであげるのが、インスリンの働きです。
血糖値を上げるホルモンはアドレナリンやグルカゴン、甲状腺ホルモンなどいろいろあるのですが、血糖値を下げる働きのあるホルモンはインスリンただ1つです。
インスリンは、膵臓のβ細胞にある「ランゲルハンス島」というところから分泌されます。
インスリンの分泌には「基礎分泌」と「追加分泌」との2種類があり、常にごく少量が分泌されている事を「基礎分泌」と呼びます。
そして、食事をして血液中にブドウ糖が流れ込んでくると「追加分泌」が起こるのです。
どちらも血糖値を一定に保つために働いておりますが、この「血糖値を一定に保つ」という働きにはどんな意味があるでしょうか?
食事をすると栄養素が血管に流れ込んできて、血糖値が上がります。
そしてインスリンが追加分泌されることによって、血糖値は一定のレベルにまで下がります。
それはインスリンが筋肉や脂肪、肝臓に糖分を送り込むことによって、血液中の糖分が減ってくるからです。
この糖分を送り込む作用を、インスリンが担っているのです。
また、アミノ酸を筋肉に送り込む作用も持っております。
逆に言えば、食事をしてもインスリンが働いてくれないと、栄養を細胞に送り届ける事が出来なくなってしまいます。
なお、インスリンの働きとしては、「肝臓でグリコーゲンを合成する」というものもあります。
この、「糖分やアミノ酸を筋肉に送り込む」というインスリンの働きは、筋肉を大きくしていく上でとても重要な働きになります。
ただ、インスリンは体脂肪の合成にも働いてしまいます。
脂肪細胞に送り込まれる糖分は全体の3%にしか過ぎないのですが、インスリンは脂肪を合成する「リポタンパクリパーゼ(LPL)」という酵素の働きを助け、脂肪を分解する「ホルモン感受性リパーゼ(HSL)」という酵素の働きを邪魔してしまうのです。
つまりインスリンが多く分泌されると、体脂肪は合成されやすく、同時に分解されにくいという状況に陥ってしまうのです。