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停滞期対策:応用「チートデイ」の理論と実践

これまで『停滞期の原因を「消化」「吸収」「代謝」「排泄」の順番で解説して来ました。前回の「中期減量・実践編:ダイエット初心者むけ。マイナス10キロダイエットのプランニング」に続き、今回17記事目は総括4「減量のテクニック:チートデイ」について解説していきます。

これまでの記事では「低糖質」「低脂質」「カロリー制限」それぞれには「偏食」が共通するため、枯渇する栄養を補充する配慮が必要だ。というお話をしてきました。

どのように補充すれば良いのか?という話は前回の記事でも言及しましたが、「チートデイ」はどう解釈すれば良いのか?という話にも当然発展するでしょう。そのため、今回は「チートデイ」の目的と方法について解説して行こうと思います。

チートデイを行う主な目的は
❶減量中分泌されていたグルカゴンやコルチゾルをブロックする
❷減量中に枯渇したビタミンやミネラルバランスの補充
❸甲状腺ホルモンの回復
❹肝臓内グリコーゲン量の回復

このようなものがあります。

特に、低脂質ダイエットをされていた場合は脂溶性ビタミンの補充を目的とした脂質摂取を“オプション”として意識する必要があります。

また、低糖質のお食事であれば、低糖質の食事そのものが脱水を伴う性質を持つので、ビタミンミネラル全般を低脂質ダイエット者以上に意識する必要があります。そして何より「肝臓内グリコーゲンの補充」を意識する必要があります。

さて、チートデイはそもそもなぜ必要なのでしょうか?一般に『下がった代謝を高い状態に戻すため』と解釈されていますが、「代謝を下げよう」と“判断”する臓器は存在するのでしょうか?

「迷走神経肝臓枝」という神経は、肝臓内のグリコーゲンが減っていると「エネルギーが足らないぞ」と交感神経を経由して体脂肪を燃やそうとする役割を担っています。

しかし、肝臓内のグリコーゲン残量が枯渇してしまうと迷走神経肝臓枝は交感神経を刺激しなくなります。体脂肪が燃えなくなってしまうのです。

この肝臓内グリコーゲン由来の停滞期が起きているか確認するには、起床時の体温測定が手がかりです。停滞期に差し掛かり代謝が低下すると、起床時体温が0.2℃ほど低下します。

体温の低下が確認され、同時期から体重も落ちなくなってしまった場合は、いよいよ糖質摂取に踏み切る必要があるかもしれません。

ボディビルダーを例に、チートデイの基準として挙げられているものは
「徐脂肪体重×12gの糖質摂取」
1日でチートデイをされる場合はこれほどの規模を1時間ごと12回に分けて摂取する方法があります。

「徐脂肪体重×9gの糖質摂取」
2日掛けてチートをされる場合も1時間ごとに12回に分け、2日連続で摂取されると良いでしょう。

ただし女性の場合、生理周期なので体温が変動しやすいので日常的に測定しておくと良いです。

また、低脂質ダイエットをされていて、日常糖質を摂取している方であっても激しく運動されている方や、減量末期でカロリーを落としている方であれば肝臓内グリコーゲンが枯渇する可能性は十分にあります。ぜひ参考にされると良いでしょう。

ただし、注意しなければならないことがあります。特にダイエット経験者や既に体温測定をされている方から「体温が安定しない」といお伺いすることがあります。

「徐脂肪体重×12g」に見るケースは競技者を対象とした規模です。代謝を判断するのがとても難しい状況下において、一般の方も競技者と同等のチートを実施して良いのか?という問題があるのです。

ここから先は注意点について記載します。ここで確認したいのは「チートデイをやる前に振り返った方が良いポイント」です。

「代謝が低下する条件」とは肝臓内グリコーゲンに限った話ではありません。
第1記事目から記載してきた通り食べ物は「消化」「吸収」「代謝」「排泄」の4行程を経てエネルギーは消費されます。

また、体脂肪に至っては「放出」「運搬」「吸収」「燃焼」という過程を代謝内で行われている。というものをご案内させていただくこともありました。

鉄不足や亜鉛不足、カルニチンの摂取、ビタミンBやビタミンC、その他にも慢性炎症対策など本当にさまざまなことをご紹介させていただきましたが、これら多岐にわたるノイズが蓄積することで「体温が変動する」現象は起きます。

またインスリン抵抗性がある方のチートデイはかえって体脂肪が増えて失敗することにもなりかねません。安易なチートは失敗するケースが多いのです。

「チートデイ」を恐れる必要はありませんが、多くの場合はチートデイを駆使する前にすべきことがあります。肝臓内のグリコーゲンが枯渇する前段階の代謝トラブルの改善が先決です。

腸内環境や枯渇しがちな栄養の摂取が十分できているかを確認して、それでも停滞している時、初めてチートを実施するか、ダイエットプランを変えるか、ダイエットそのものを一度中断するか選択すると良いです。

チートは十分に考察した上で計画的に実施するのが良いのです。

最後に、
チートの注意点を書き連ねましたが、それでもチートデイを検討してみたいな。と思う方にだけ、少し計算を含む細かなお話をご紹介します。

「徐脂肪体重×6gの糖質量を上限に1日」この基準を上限にインスリン抵抗性がある状況を配慮した摂取を試みる方法があります。今まで行ってきたダイエット方法に応じて枯渇しやすい栄養摂取とセットで行うと良いでしょう。

また、低脂質ダイエットをされている方であれば、肝臓内グリコーゲンの枯渇を疑う前に偏った脂質の摂取をしていないか?を振り返り、必須脂肪酸であるEPAやDHAを中心とした脂質摂取型のチートに置き換えるだけで十分効果を得られる場合がございます。

ただし、カロリー制限をされたままでは、EPAに期待した抗炎症作用などの効果は得られません。不足するカロリーの穴埋めとして消費されるだけで、チート本来の目的を達成できないのです。

不足していたEPA(必須脂肪酸)の効果を得るためには「十分なカロリー摂取」を確保する必要があります。

この時に目標としたいカロリーは

「標準体重(BMI=22の体重)×35=1日の目標摂取カロリー」
タンパク質量(g)=体重×2
糖質量(g)=徐脂肪体重×<6
脂質量(Kcal)=(目標摂取カロリー)−(タンパク質量×4)−(糖質量×4)
脂質量(g)=脂質(Kcal)÷9

として計算されると良いでしょう。

事例: 身長160cm 、体重60キロ、体脂肪率30% 推定基礎代謝=1197Kcal

目標摂取カロリー=1.6×1.6×22×35=1971Kcal
糖質量=60×(1–0.3)×6=252g(上限)
タンパク質量=60×2=120g
脂質のカロリー=1971−(252×4)−(120×4)=483(Kcal)
脂質量=483÷9=53

このように目指していただき、脂質はなるべくEPAなどのサプリメントとセットに。その他ビタミンやミネラルなども豊富に摂る栄養規模を基準にされると良いでしょう。

ボディビルダーに見るガツンと食べねばならないくらい体を酷使してしまっているケースであれば、徐脂肪体重×12gの糖質摂取も有効ですが、一般的にはチート以前に生活習慣病や基礎筋肉量の不足、栄養の偏りなど多くの違いがあるため理論がそのまま役立つと過信してはいけません。

ダイエットをしている人にとってSNSで美味しそうにチートデイをしている投稿を見てしまうとつい興味が湧いてしまうものですが、チートデイは決して万能薬ではありません。そして「たくさん食べれば良い」という単純な話でもなく、その人それぞれに必要なポイントがあります。

「大は小を兼ねる」と闇雲に食べては失敗に終わりますから、しっかり分析しつつ、息抜きも大切にしながら体作りを一緒に積み重ねていきましょう。

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