免疫について
昨今、新型コロナウィルスが流行してからよく耳にする「免疫」というワード。
免疫とは、身体へ外部から異物が侵入した時に身体を守る仕組みのことです。
細菌やウイルスなど、元々無かった物(抗原)が入ってくると、対抗するための抗体が作られます。
最初の自然な反応を自然免疫といいます。同じ抗原が再度体内に侵入すると、すでに記憶されている免疫機能が反応します。これを 獲得免疫といいます。
これらの免疫系が常に体内で働き、抗原を処理しながら健康な状態に保ってくれています。 自然免疫は、一次防御を担っており、「好中球」や「マクロファ ージ」、「NK細胞」(ナチュラルキラー細胞)などがこれにあたります。これらの細胞は、相手を記憶出来ず、抗原を貪食する事を機能としています。
獲得免疫を担当するのはT細胞とB細胞と言われる細胞で、自然免疫と違い相手を記憶することができるので、効果的に相手を攻撃することが可能です。
免疫細胞は、血液とリンパ液に乗って抗原を常に探しながら、処理しています。
『身近な免疫反応』
花粉症やアトピー性皮膚炎も免疫反応によって引き起こされているのです。花粉症は、花粉(抗原)による季節性アレルギー性鼻炎とされ、花粉が身体に侵入した時に働く抗体が原因であるとされています。
鼻の粘膜にはアレルギー反応を伝える細胞があり、花粉が侵入してくると粘膜で抗体を捕まえます。この細胞の中の刺激物質が細胞の外部にいっせいに放出され、血管が拡張し体液が鼻の粘膜ににじみ出て、くしゃみや目のかゆみ、鼻水などの原因となるのです。
アトピー性皮膚炎は、皮膚が乾燥してかさついたり、強いかゆみをともなう状態で、花粉症と同じく抗原の侵入に対し、抗体が過剰に反応することにより刺激物質が皮膚に放たれ引き起こ されると言われております。主な原因物質として卵、大豆、牛乳などですが、ダニ やカビ、ペットなどでも引き起こされるとのエビデンスも発見されています。
『獲得免疫に役立つ運動』
今現在、新型コロナウィルスに対し、免疫力の向上やワクチンの摂取が大切であると様々なメディアで発信されております。
当初は、人種差や性差など日本人は欧米人に対し、罹患しにくいとの報道もありました。実際に日本人の罹患率は欧米人に比べてとても低い(黒人の1/10 白人の1/3から1/4)ですが、個々が自己防衛能力を上げることができれば、さらに罹患率を低下できるとされています。日々の食事を気をつけたり、習慣的に運動をしたりす ることは、自然免疫力を向上させてくれます。
【鍵は肩甲骨にあり】
日常生活の中でも免疫力をアップさせる方法があります。 呼吸を止めずに行える程度の運動や少しの食事の変化でも充分ですので試してみてはいかがでしょうか。
肩甲骨周りをほぐすことで、血液の巡りが良くなり免疫力がアップされると言われております。
手を肩につけ、肘で大きく円を描くようにゆっくり左右に10回ずつ回していきます。
肩甲骨を大きく動かすことができるので、手軽にできるおすすめの運動です。
また、呼吸(息を吐く際)をする時に少し長めにお腹に力を入れることも効果的です。ゆっくり行うことで、免疫力の向上にも役立つと言われています。朝起きてストレッチ、お風呂あがりにゆっくりと筋肉をほぐす時間も作れると、日頃のトレーニングの疲労回復に加えて自己免疫を高めることが可能になると言われております。
【食事からも免疫力を向上】
さらに食事によって免疫力を向上する効果もあります。納豆や卵はその代表とされております。
納豆には、現代人に不足している3つの栄 養素(ビタミンD・マグネシウム・亜鉛)が豊富に含まれております。
また、卵にはヒトのタンパク質を構成する約20種類のアミノ酸 がほぼ完璧なバランスで含まれているとされ、沢山のビタミンやミネラルも有しております。
その他、緑黄色野菜や海藻、ナッツ類、青魚なども免疫力を向上させることが証明されているそうです。
上記の食べ物には、マグネシウムが豊富に含まれ、青魚にはマザーホルモンである DHEAが豊富に含まれております。 免疫細胞のほとんどはタンパク質から出来ておりますので、肉類だけでなく、魚類のタンパク質を積極的に摂取するとバランス良く栄養を摂取できる為、大変おすすめです。
免疫力の向上は、生活をおくるための礎になります。
健康で楽しく生活を送る為のご参考にしていただけると幸いです。