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症例:ダイエットと低栄養症

これまで『停滞期の原因を「消化」「吸収」「代謝」「排泄」の順番で解説して来ました。

停滞期の原因について、具体的な症状別の話に移行しています。今回第23記事目は、前回の「症例:感染症とダイエットの関係」に続き、「症例:何をやっても痩せない人の低栄養症」について解説していきます。

症例Bさん:22歳女性、BMI=18。1人暮らし。生理不順。腰痛あり。料理は得意。貧血気味で朝起きるのが苦手な傾向にある。体重は気にしていないけど、下腹部が出ているのが気になる。腰痛もあるのでトレーナーに相談して痩せる方法を模索したい。とのことでした。

今回はこの事例を触れてみましょう。

体重は「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスで決まると言われています。原則はその通りですが、基礎代謝以下の食事をしているのに痩せないケースは決して珍しいことではなく、Bさんにおいては普段の食事量がダイエットで案内するカロリーを下回っていました。

なぜ摂取カロリーが少ないのに痩せないケースがあるのでしょうか?

過去の記事で「脂肪の燃焼は放出、運搬、吸収、燃焼の4行程を経る」というものを書かせていただいたことがありました。代謝とは化学反応の連続です。私たち人体のエネルギーはATPとして語られていますが、つまりは電子や物質が移動することで起こる電位差こそエネルギーの正体です。

代謝が良い状態とは「ものの運動が活発に起きていること」とも言えます。例えば、細胞膜を酸化除去して柔らかく保つと細胞膜内外での栄養の受け渡しがスムースに進み、代謝が上がる。このように想像されると何が代謝を決定するのかが分かりやすくなります。

痩せられない状態とは、消費カロリーがそれだけ低下しているから生ずる現象ですが、消費カロリーが低下してしまった原因は本当に様々です。体重は摂取と消費の差分で決められるほど簡単ではないのです。

さて、Bさんは22歳という若さなのに生理不順で、朝の起床が難しい状態にあり、血液データではコレステロール値が低いことなどがありました。

タンパク質の不足が慢性していた場合は、タンパク質の利用用途が限られるので脂質を水溶化して各細胞に届けることができません。すると、水溶化されなかった脂質が持ち出されず、内臓にどんどん蓄積して内臓脂肪を増やしてしまうのです。

また、タンパク質や脂質が原料で作られるコレステロールは、性ホルモンやストレスホルモンに共通した素材です。ストレスを抱えやすい生活が慢性しているとストレスホルモンが大量に消費されます。

コレステロールのほとんどがストレスホルモンの生産に利用されてしまうと性ホルモンに使えるコレステロール量が減ってしまい生理不順や性欲の減退などが起きてしまうことも起きます。

Bさんはストレス過多な生活と、日頃の食事量の少なさがかえって生理不順を誘発させていて、朝の起床が苦手な原因は自律神経の乱れ以外にも副腎疲労が潜在している状態にあるのではないか?と予想されました。

ダイエットをしようかと考えている方々にとって、カロリーやコレステロール、は低く抑えたいと思う心情が働きやすいと思います。特に脂質を気にしてお肉を食べなくすれば効率的にカロリー制限もできるわけですが、タンパク質と脂質は積極的に摂るべき栄養です。

必要な栄養が足らない場合は脂肪肝や、筋肉だけ痩せてシルエットが整わないダイエットになってしまいやすくなるのです。

さて、副腎疲労などが疑われたBさんに必要なことは
❶食事回数を5〜6回に分けて、こまめな糖質摂取をすること
❷タンパク質を体重の1.5倍以上の摂取を試みる
❸亜鉛、鉄など生理で不足する成分の確保
❹ビタミンE、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンCの摂取

Bさんの血液データは、「AST」「ALT」がともに10。総コレステロール値が140。脂質やタンパク質の欠乏が確認されていて。また、ヘモグロビン数に問題はありませんでしたが、MCV値が高く、鉄やビタミンBの欠乏が予想される状態にありました。

貧血は、MCVの高値による栄養や酸素運搬の効率が低下していたことが背景にあるかもしれません。生理が再開するようになると、再び鉄不足が更新されていく可能性もあるので、長期的な摂取が必要でした。

当初の目的であった下腹部は、筋量不足による腹腔内圧の低下が原因として考えられ、また腰痛からも筋量不足がうかがえます。

タンパク質が摂れる習慣が定着すれば筋肉量は自ずと回復するので、体重は一度増えますが、筋肉量が増えることで下腹部や全身のシルエットは整ってきます。タンパク質が摂れるようになった段階から運動は軽強度からスタート。

特に腹圧の掛け方と姿勢矯正や柔軟体操もセットでご案内することで比較的早い段階から目標の下腹部には手応えを感じられるようになりました。

このように食べなければ痩せる。という方法が通じない方は時折いらっしゃいます。中には生理不順を伝えるとダイエットを中断するケースがほとんどですから、秘密にしてしまうお客様も多いと聞きます。

恐ろしいのは、「食べなければ痩せる」と信じて摂食障害に近い状況になってしまうケースや、「本当は食べているのではないか?」とトレーナー、お客さまとの信頼関係が崩れてしまう場合が多い実態です。

食べなくても痩せないことはあります。「正しく食べる」難しさは果てしないですが、Bさんのように、社会人になったばかりでまだ生活が安定せず、一人暮らしも相まって食生活が乱れてしまうケースは本当に多いのです。

軽い気持ちで始めたダイエットをきっかけに「自分の体はおかしいのではないか?」と人生が狂いだしてしまうケースは昔からフィットネスの世界にはありました。

カッコ良くて華があるモデルたちがいる一方、そのプロポーションを維持するために、あるいはモデルたちに憧れた方々の間には、光が強くなるほど濃い影が差し込んでいることがあります。

本当の美しさは健康の上に築き上げられるものです。必ず本物になりましょう。我慢して無理しないと維持できない造形美より、あなた自身の美しさが際立つ自然な美しさや人生を目指していきましょう。

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