【低体温の高齢者は認知症に陥りやすい】

コロナ禍で、以前より「体温」への関心度が高まりました。
体温が37度以上になると、ウイルス感染による発熱と解釈される場面が多くなったからです。

実際のところ、平熱は人それぞれで、なかには37度近い人もいるとされています。1日のうちでも1度前後の変動があり、もっとも体温が低いのは午前4時前後、そして夕方になるといちばん高くなるとされています。

また、平均体温は加齢とともに下が流傾向にあり、赤ちゃんの平熱は36.5～37.5度。
そこから年齢とともに少しずつ下がると言われています。
一般的に平熱が36度を下回るようになると、「低体温」とされており、高齢者には低体温の人が比較的多く、低体温の高齢者は認知症に陥りやすいといわれているのです。

また、動物実験では外気温が低いほど、アルツハイマー型認知症は悪化することが確かめられているデータがあります。

なぜ外気温が低かったり低体温だったりすると認知症のリスクが高まり、発症した認知症が悪化するでしょうか。確かなことが解明されているわけではありません。。

低体温による免疫力低下を防ぐ為には「免疫機能」が関わっていると考えます。
そもそも免疫とは、一度かかった病に、再度かからないようにする為の仕組みのことです。

体外から侵入したウイルスや、体内で生じたがん細胞などの異物をいち早く見つけ出し、排除する仕組みを指しています。

この大事な免疫機能は、体温が36.5～37.0度の範囲内で最大限働くように設計されており、免疫の主役を担っている白血球の働きは、体温が1度下がると、約30％ダウンすると言われているのです。

ここで焦点になるのは、「免疫力が低下すると、認知症になるのか？」という疑問です。

この疑問に明確に答えるだけの証拠は、まだそろっていませんが、加齢で白血球などの免疫細胞に慢性的な炎症が起こると、脳で認知機能の低下が起こることがわかっています。
ですから、免疫の低下を招く低体温は、避けるにこしたことはないのです。

では、認知症を防ぐために、低体温をどう避けたらいいのでしょうか？ 体温をつくり出しているのは、主に「筋肉」とされています。

筋肉は運動やミルキング・アクションだけで活躍しているわけではないのです。

じっとしているときでも行われている、生きるために必要な活動を担うためのエネルギー消費を「基礎代謝」といいます。

基礎代謝のうち、筋肉は20％前後を占めています。その大半は、体温を保つために使われているのです。

これを踏まえると、低体温による認知症のリスクを軽減したいなら、筋トレで筋肉を刺激して増やしたほうがいいことがわかります。
なかでも目を向けたいのは、「下半身」です。筋肉の3分の2は下半身に集まっているうえに、筋肉は下半身から衰えやすいからです。

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