ビタミンUについて
「ビタミンU」と聞くとあまり馴染みが無いかもしれませんが、「キャベジン」と聞くと馴染みがある方も多いのではないでしょうか?
今回はこの、ビタミンU別名キャベジンについてご説明致します。
ビタミンUは、ビタミンという名前がつきながらもビタミンの一種ではありません。
コエンザイムQ10やα-リポ酸と同様にビタミン様物質の一つです。
ビタミン様物質なので、体内で合成される物質です。
では、ビタミンUは体内でどのような働きをしているのでしょうか?
ビタミンUの代表的な働きとして、胃の働きや粘膜を修復し、正常に保つ働きがあります。
キャベジンと名のつく胃腸薬があることから、その働きがわかるかと思います。
また、胃の働きや粘膜の修復を助けることで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防する効果にも期待が出来ます。
胃潰瘍は、主に胃粘膜の胃酸に対する防御機能が弱まり、粘膜に傷が出来てしまうことにより起こります。
十二指腸潰瘍は、多く分泌された胃酸が、胃酸に対して防御の弱い十二指腸の粘膜を傷つけてしまうことにより起こります。
粘膜の働きを正常に保つ事によって、胃酸から胃を守ってくれるのです。
その他にも、ビタミンUにはアレルギー症状を緩和する働きがあります。
私たちの身体には、ある物質を異物として判断した時に、身体を守るため異物を攻撃する仕組みとして免疫反応があります。
アトピー性皮膚炎・喘息などのアレルギー性疾患は、ある種のタンパク質や物質が体内に入り込み、それを異物と捉えた免疫細胞が、様々な物質を出した結果、アレルギー症状が出ると言われております。
その働きに関係しているのが「ヒスタミン」という成分です。
ビタミンUには、そのヒスタミンの遊離を抑える働きがあります。
それにより、アレルギー症状の緩和に効果的であると言えるのです。
ビタミンUは、明確な摂取量の目安は定められておりません。
ただ、上記のような働きを期待するためには、体内での合成のほか食品やサプリメントから摂取する事が効果的であると言えます。
ビタミンUが多く含まれる食品としては、以下の食品が挙げられます。
(食品100gあたり)
ブロッコリー 590μg
アスパラガス 400μg
キャベツ 350μg
大根 260μg
ピーマン 180μg
また、これらの食品を摂取する際、注意していただきたいポイントが2つございます。
まず一つ目は、ビタミンUは水に溶けやすく、熱に弱いのでサラダなど生のまま召し上がる事がおすすめです。
また、汁物や煮物は成分が溶け出した煮汁をめしあがる事が出来、胃腸を温めて新陳代謝の活性を助けるのでよりおすすめです。
二つ目は、酸に強いためお酢を使ったドレッシングをかけて召し上がる事もおすすめです。
調理方法なども工夫しながら出来るだけ効率良く取り入れることをおすすめ致します。