筋肥大のためのトレーニング 〜大胸筋〜
今回は、大胸筋を効率よく肥大させていくためのトレーニングについてお伝えさせていただきます。
筋肥大を目的としたトレーニング方法については、様々な方法が議論されております。
その中でも、大胸筋の筋繊維の形状と性質から考えるトレーニング方法をお伝え致します。
筋肉を筋繊維の形状で考えると紡錘状筋(ぼうすいじょうきん)と羽状筋(うじょうきん)の2種類に分けることが出来ます。
その中でも、大胸筋は紡錘状筋に分類されます。
紡錘状筋とは、平行筋とも呼ばれており、筋繊維が全て平行かつ直線的に並んでいるのが特徴です。
紡錘状筋は、直線的に筋繊維が並んでいるため、動作をする際は全ての筋繊維が同じ動きをするので、羽状筋に比べて短縮スピードが速くなります。
その分パワーが弱いので、トレーニングは低重量×高回数で行うのが効率的とされております。
また、筋繊維には速筋と遅筋の2種類があり、全ての筋肉は速筋と遅筋が混在しております。
速筋は、瞬発的に大きな力を出す筋肉で、筋トレなどの無酸素運動を行う時に使われます。
遅筋に比べて肥大化しやすいと言われる筋肉です。
一方、遅筋は大きな力を出すことは出来ませんが、持久力を発揮する筋肉で、ランニングなどの有酸素運動で使われる筋肉です。
速筋に比べて肥大化しにくいと言われておりますが、正しく負荷をかけることで十分肥大される事が可能です。
大胸筋は、この速筋と遅筋が57:43(速筋:遅筋)の割合となっております。
速筋線維の比率が高いので高重量×低回数のトレーニングが効率的とされております。
この2つの観点から見ると、大胸筋を肥大させるためには低重量×高回数のトレーニングがいいのか、高重量×低回数のトレーニングがいいのか迷ってしまいますね。
そこで、大胸筋の筋肥大に対して、どちらのトレーニングが有効かを調べた研究の結果をお伝え致します。
トレーニング経験者を対象に低重量×高回数と高重量×低回数に分けて、ベンチプレスを行った結果、低重量×高回数で行った方が大きくなるという結果でした。
この結果、筋肥大に関しては筋肉の形状別で考えると良い事が分かりました。
ただ、筋力の向上に関しては、高重量トレーニングを行った方が有効という結果も出ております。
筋力に関しては、どちらの筋繊維が優位かを考えることが重要だと言えます。
しかし、だからと言って筋肥大を目指すために高重量トレーニングが不必要な訳ではございません。
フェーズやコンディション、マンネリ化を防ぐためにも様々なバリエーションで刺激を与える事も重要です。
それぞれの部位の特性を考えながら、効率的かつ身体に刺激を慣れさせないようにメニューを作成してまいりましょう。