トランス脂肪酸とは?
今回は、不飽和脂肪酸の一種である「トランス脂肪酸」についてご説明させていただきます。
トランス脂肪酸とは、植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際や植物油を高温にして脱臭する工程で生じるものです。
また、天然でも牛肉などの反すう動物に由来する乳製品や肉にも含まれております。
トランス脂肪酸は、一般的に身体へはよくない脂肪酸として知られています。
平均的な日本人よりトランス脂肪酸の摂取量が多いとされる諸外国では、トランス脂肪酸の過剰摂取によって、心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクが高まるとされております。
また、肥満やアレルギー性疾患についても関連が認められております。
ただ、これらの結果はトランス脂肪酸の摂取量が平均的な日本人よりかなり多いケースの結果のため、平均的な日本人の摂取量では、これらの疾患のリスクは低いとされております。
しかし、現代の日本人は食事の欧米化が進み、トランス脂肪酸の摂取量が平均を大きく上回る方も増えてきております。
アメリカでは、トランス脂肪酸の過剰摂取が問題となり、2018年にトランス脂肪酸の使用が原則禁止となるほど問題視されている成分でもあり、WHO(世界保健機関)も2023年までに世界的に使用を禁止することを計画しております。
日本人も食事の欧米化が更に進むとトランス脂肪酸の過剰摂取が大きな社会問題となるでしょう。
では、トランス脂肪酸の過剰摂取による健康リスクを避けるためにはどの食品をどのくらいのボリュームにコントロールしていけば良いのでしょうか?
WHOが発表するトランス脂肪酸の摂取目安は、総摂取カロリーの1%以下を目標としております。
以下の食品別含有量を参考にご自身の普段の摂取カロリーと見比べていただければと思います。
食品別トランス脂肪酸含有量(100gあたりの含有量の平均値)
(1g=9kcal)
・マーガリン(市販用)…5.5g
・マーガリン(業務用)…8.2g
・ショートニング…13.6g
・パイ…4.8g
・マヨネーズ…1.2g
・クリーム…3.0g
・牛肉…0.5g